創業年変更のお知らせ
「角文」創業の歴史は1863年(文久3年)、鈴木家5代文助が材木の販売・建築請負業「角屋」を興したのが始まりとされてきましたが、その後1834年(天保5年)の史料「大福・万覚・売買書出帳」(刈谷市歴史博物館蔵)の裏表紙に“三河国泉田村角屋文助”と記載されていることがわかり、創業は1863年以前では? ということになりました。なお、創業前の1819年(文政2年)の史料「居宅普請牒」には、4代文助がこの年に店の曳家と居宅の普請※を始めたことが記されています。
さらに1823年(文政6年)正月吉日の「大福帳」から、という商標と三州泉田角屋の印影が2カ所見つかりました。
このことから、1823年(文政6年)に「角屋」としての商売が始まったのではと推しはかることができます。従って、この年を角文創業年と改めました。創業者は鈴木家4代文助[1786年(天明6年)~1846年(弘化3年)]です。
鈴木家の始まりを辿ると、鈴木家初代文助は江戸中期の宝永・正徳・享保、2代孫吉は徳川綱吉あたりから吉宗・家斉時代の宝暦・明和・安永、3代文吉は天明・寛政・享和・文化の時代に商人として活躍。
1818年(文政元年)、3代文吉が没したことから、4代文助は父・文吉の遺志を継いで本格的に商人の道を歩み始め、「角屋」を創業することになりました。
創業年が変更になる前の2013年(平成25年)に創業150周年記念事業を開催し、その10年後に創業200周年記念事業を開催することとなりますが、こうした経緯をご理解いただけますと幸いです。
創業年は変わりましたが、「不易流行」の精神は変わることなく受け継がれ、地域の皆さまのお役に立てるよう精進してまいります。
※ 普請:家を建てたり修理すること
1823年(文政6年)、大福帳 表裏
1823年(文政6年)大福帳
角屋創業者文助が、1823年(文政6年)には「角屋文助(かどやぶんすけ)」を名乗っていた決定的な証拠となった「大福帳」の中の印影。
「四角の中に文」の商標と、その右側に三州の「三」、左側に泉田の「泉」が読み取れる。
「角文(かどぶん)」の商標の下の文字は、「角屋(かどや)」の「角」だと思われる
1918年(大正7年)大福帳
1823年(文政6年)「大福帳」の中の印影と同じ、印鑑の印影と思われる